居心地が良かったんだ
だから、帰りたくなかった
「あ、たこ焼き…」
目の前のたこ焼き屋さんが目に付いた
そういえば、今日あまり食べてないんだっけ…
「食べる?」
「でも私お財布置いてきちゃった…」
「いいよ、奢る」
立ち上がった彼を追いかけて、私は好きな味を選んで
買ってくれたたこ焼きを口に含むと
「あつ〜い!」
「ねこ舌?」
「違うの!熱いの!食べてみ?」
「ん〜…おわっ!あっつ…!」
「あははっ、ほらね〜!」
ポキッ…
「「あっ」」
「嘘だろ、最悪、箸折れた〜!」
「ぷっ…あはは!」
「笑うな(笑)」
「タイミングが絶妙!(笑)…いいよ、私の箸貸したげる…食べさせてあげよーか?(笑)」
冗談で言ったつもりのこの言葉に、彼は口をあーんとあけた
え、まじ…?
一瞬戸惑ったけれど、熱いたこ焼きをフーフーしてからそーっと彼の口に届けた
「ん、美味い
はい、仕返し」
今度は、彼がたこ焼きを私の口に運んだ
口の中のたこ焼きは温かい…
「美味しい…」
笑いあって、りくと話してると楽しくて
余計帰りたくなくなって…
時計を見るとあっという間
「あ、そろそろ飲み会終わっちゃう!ごめんね、付き合わせちゃって…そろそろ戻んなきゃね!」
「ねえ」
「ん??」
「このままどっか遊びにいこーよ」
…え?