「………あのね。最近、椋さんと会えなくて寂しいと、椋さんがいなくなる夢を見ることがあるの」


 椋が家から出ていってしまう夢。
 そして、あの事件に花霞が間に合わずに、椋がここに帰ってこない夢。
 そんな過去と繋がっているような夢を見る。それがあまりに鮮明すぎて、夢を見ている花霞がそれが現実のように感じてしまうのだ。

 そして、涙を流す。
 彼と会えない事が悲しくて辛くて………。


 「………おかしいよね。椋はここに居るのに」
 「…………ごめん。俺が忙しすぎたよね……。」
 「そ、そんな事ないよ!私も自分の仕事があったし………椋さんはやっとやりたかった事が出来るんだから」
 「………俺も寂しかった」
 「………っっ………」