…とうとう、この日がやってきた…。

今日は桃華(ももか)たちの卒業式だ。

泣かないと決めていたのに、俺にはだめだった…。

「蒼生~、泣かないでよぉ」

桃華が困った顔をしている。

「だって、明日から桃華たち、いないんだよ!?
そんなの、耐えきれないよ…」

グズグズ泣いている俺を、優しく桃華は抱きしめる。

「春休みから同棲するくせに何、言ってんだ」

横から兄ちゃんが冷たく言い放つ。

「そうだよ…。
羨ましい」

夏喜(なつき)は頬を膨らます。