「何すんの!?」

「それはこっちのセリフだ。
やっさん好きにも悪いヤツはいるんだな…」

矢野さんは、泣きながら乱れた髪で、わたしたちの教室を出て行った…。

一部始終を見ていた夏喜は青ざめ、壬生は苦笑いをしている。

「蒼生、すごいね…」

夏喜が言う。

「当たり前じゃん!
彼女があの女の友だちに、レイプされたんだぞ!?
怒るに決まってる…」

「蒼生、ありがとう」

わたしは蒼生の制服に着いているチョークの粉を、ソッと手で払った‐。