「2年生が修旅に行って、寂しいんでしょう?」

先程からぼんやりしている俺に、ナキコが声を掛ける。

「え、蒼生って2年に好きな人でもいるの?」

みちぽの言葉に、俺は戸惑いながら頷く。

「告白までしたんだけどさ、振られた…?」

「なんでそこ疑問形なんだよ」

鋭く拓翔(たくと)が突っ込む。

「好きだけど、付き合えないって」

「なんだよそれ、モヤモヤするな~!」

拓翔が叫ぶ。

「たく、落ち着きなよ。
あんたの事じゃないんだから」

ナキコが拓翔を宥める。

「どんな人なの?」

みちぽが聞いてくる。

「髪の毛が長くて、色白。
すごく綺麗な先輩。
だけど…とても遠い人」

答えると、みちぽは黙り込んだ。