目を開けると、

「大丈夫?」

蒼生君がベッド横の椅子に腰掛けていた。

「先生がいなかったから、適当に寝かせた」

保健室に2人っきりと言う事に、少し気まずくなる。

「ありがとう、蒼生君」

「蒼生でいいよ。
俺も桃華って呼んでるし」

「ありがとね、蒼生、優しいね」

「誰にでも優しいわけじゃねぇよ」

「…え?」

「桃華だからだよ」

蒼生は頬を赤く染めながら言った。

「俺、中学生の時から桃華が好きだった…!
俺と付き合ってくれないかな?」

「…ごめんなさい。
蒼生の事は好きだけど、付き合う事は出来ないの…」

「それってどういう事?」

「ごめんなさい」

わたしはその場にいれなくて、慌てて保健室を出た‐。