「なんか勉強と言うより、DVD鑑賞しただけじゃね!?
明日には試験なのにやばくね!?」

先程から拓翔は取り乱してる。

「しょうがないでしょ、あんたが観たいって言ったんだから」

ナキコが拓翔の頭を叩く。

「やべぇよ、ナキコ!!
ノート写させてくれ!」

「嫌よ、たまには自分で勉強したら?」

「そこをなんとか!」

「次は自分でやってよ?」

ナキコは鞄からノートを出し、拓翔に渡す。

「サンキュー!
神だよ、ナキコは」

「調子いいんだから」

「じゃ、俺らはこっちだから」

拓翔とナキコが背中を向ける。

「おお!じゃあな!」

夏とは言え、だんだん暗くなってきた。

急いで帰ろうとすると、

キィキィキィキィ…

近くの公園でブランコを漕ぐ音が聞こえる。