7月のある日、

「壬生が好き。
付き合ってくれないかな?」

俺は桃華(ももか)に告白された。
俺は頷きたい気持ちを抑え、

「無理、桃華は友だちだから」

断った。

桃華は蒼生(あお)の好きな人。
付き合う事は出来ない…。

桃華は傷付いた表情を浮かべながらも、

「わかった。
ごめんね?」

少し笑った‐。


翌日、

「おはよう~」

教室に入ってきた桃華は、腰まであった長い髪の毛を、肩までの長さに切っていた。

「桃華、どうしたの~?」

何も知らない夏喜が、桃華に聞く。

「ちょっといろいろあってね」

桃華が俺に告白をした事は、仲良しの夏喜にも言えないらしく、誤魔化している。

「ええ~!?
気になるじゃ~ん」

「気にしなくていいよぉ!
ほら、授業が始まるよ」

桃華はそう言うと、自分の席についた‐。