「ここ、通りたいの?」



「あ、いえ…遠回りするので、大丈夫です」



「いいよ、アイツらどかしてくるから、待ってて」




横を通り過ぎる先輩の、ピアスが揺れる。



私は何故か、それに釘付けになった。



……あれ、あのピアス…どこかで…?




「オラ、お前ら廊下の真ん中に屯すんな。
邪魔だ」



「あっ、すいません、立花(たちばな)さん!」




先輩が一言声をかけただけで、不良集団はあっという間にいなくなった。



……ほへぇ…。



あの不良集団に立花さんって呼ばれてたけど…。



もしかして、すごい人…?