「ありがとう、きぃくん……。私嬉しい……」
涙がちょちょぎれそうなミヤコさんと、それをニコニコと見つめるきぃくん。
「さあ! 召し上がれ、ミヤコさん!」
「はい! 召します! いただきまーす!」
「まーす!」
二人向かい合わせに座って、パチンと手を合わせました。
ミヤコさんはスプーンを、きぃくんはフォークを持ってグラタンを食べ始めます。
「焦げ目もいい感じ。あんまり水っぽくないし出来栄えも悪くないね。やるじゃない」
「だっていっぱい練習したもん」
料理評論家気取りで寸評するミヤコさんと、照れ笑いするきぃくん。
ミヤコさんがスプーンでグラタンと牡蠣をすくってはフーフーし、あーんと口を開け、あむっとスプーンを口に入れました。
すると──。
ガキッ。
「──ん?」
一瞬、ミヤコさんは牡蠣の殻が入っていたのかなと思いました。
けれど、その割には磯臭くなくジャリジャリとしていない──とにかく、柔らかいはずのグラタンの中に潜んでいた固いものに、ミヤコさんは首を傾げました。
「……んあ? 何だろこれ……」
「婚約指輪」
「プホォッ!!」
ミヤコさんは異物を吐きました。
スポンッと飛び出したそれはきぃくんの額へとダイレクトに当たりました。
涙がちょちょぎれそうなミヤコさんと、それをニコニコと見つめるきぃくん。
「さあ! 召し上がれ、ミヤコさん!」
「はい! 召します! いただきまーす!」
「まーす!」
二人向かい合わせに座って、パチンと手を合わせました。
ミヤコさんはスプーンを、きぃくんはフォークを持ってグラタンを食べ始めます。
「焦げ目もいい感じ。あんまり水っぽくないし出来栄えも悪くないね。やるじゃない」
「だっていっぱい練習したもん」
料理評論家気取りで寸評するミヤコさんと、照れ笑いするきぃくん。
ミヤコさんがスプーンでグラタンと牡蠣をすくってはフーフーし、あーんと口を開け、あむっとスプーンを口に入れました。
すると──。
ガキッ。
「──ん?」
一瞬、ミヤコさんは牡蠣の殻が入っていたのかなと思いました。
けれど、その割には磯臭くなくジャリジャリとしていない──とにかく、柔らかいはずのグラタンの中に潜んでいた固いものに、ミヤコさんは首を傾げました。
「……んあ? 何だろこれ……」
「婚約指輪」
「プホォッ!!」
ミヤコさんは異物を吐きました。
スポンッと飛び出したそれはきぃくんの額へとダイレクトに当たりました。