先に、下塗りよりも濃い色でグラデーションをかけ、瞳孔などを描いていく。ハイライトを入れれば……。
「完成!」
私以外誰もいない部屋で呟く。人物は完成した。あとは、背景を描き、サインを入れて完成だ。
それを完成させ、私はそれを香澄ちゃんに送った。
「今日は、クロッキーをやりたいと思います!」
美術の授業中。私は、すっかり聞き慣れた言葉に、また?と心の中で呟いた。
中学生の頃、私は美術部に所属していた(高校でも美術部に入っている)。その時、毎回毎回クロッキーをやっていたのだ。
クロッキーとは、短時間で素早くスケッチすること。中学生の頃の顧問の先生曰く、クロッキーをする時は、消せないペンでなるべく紙から離さずに書くのだとか。
「……それでは、始めます」
私は、ため息をついて描き始めた。
その日の放課後、私は美術室へ向かう。ドアを開けると、一人の先輩が私に笑顔を向けた。その笑顔に、私の胸は高鳴る。
「よう、紗綾」
心地よい低音が、私の耳に入り込んだ。
「は、早川(はやかわ)先輩……っ!こんにちは」
私は、2つ上の先輩である早川先輩に挨拶をする。早川先輩は、イケメンで優しく私と同じ中学校の美術部だった。
「完成!」
私以外誰もいない部屋で呟く。人物は完成した。あとは、背景を描き、サインを入れて完成だ。
それを完成させ、私はそれを香澄ちゃんに送った。
「今日は、クロッキーをやりたいと思います!」
美術の授業中。私は、すっかり聞き慣れた言葉に、また?と心の中で呟いた。
中学生の頃、私は美術部に所属していた(高校でも美術部に入っている)。その時、毎回毎回クロッキーをやっていたのだ。
クロッキーとは、短時間で素早くスケッチすること。中学生の頃の顧問の先生曰く、クロッキーをする時は、消せないペンでなるべく紙から離さずに書くのだとか。
「……それでは、始めます」
私は、ため息をついて描き始めた。
その日の放課後、私は美術室へ向かう。ドアを開けると、一人の先輩が私に笑顔を向けた。その笑顔に、私の胸は高鳴る。
「よう、紗綾」
心地よい低音が、私の耳に入り込んだ。
「は、早川(はやかわ)先輩……っ!こんにちは」
私は、2つ上の先輩である早川先輩に挨拶をする。早川先輩は、イケメンで優しく私と同じ中学校の美術部だった。