『何時って・・・。友だちと遊んでからだったら、何時になるか分からないけど、夕飯いらないなら母さんにメールするし。何も予定がなかったら、15時半くらいには帰るんじゃないかな。何か予定でもあるの?』

『いや・・・。そういう訳じゃないんだが・・・。そうか、気を付けて行ってくるんだぞ』

『何それ、変な父さん』

そんな父娘の会話がされてる陰で、母親が顔を歪めているなんて、全く知る由もなかった。

『じゃ、行ってきます』

「「いってらっしゃい」」

【行ってきます】と【いってらっしゃい】

そんな、どこの家庭でもありがちな会話が、両親と交わした最期の言葉になるなんて、私にはこれっぽっちも考えられなかった。

あの時の父さんからされた質問にもっと突っ込んでいたら、何か変わったのかな・・・。

今となっては、何を思っても後の祭り・・・。