先輩は自分を軽視している。俺はそれがどうしようもなく嫌だ。でも、先輩頼ってくんねぇし。

 俺が後輩だからかなぁ。

「はぁ……」

 ため息をついて途方にくれていたら、すぐに放課後になった。

 俺はいてもたってもいられず、教授に先輩がさっきまで何の授業を受けていたか聞いて、その授業をやってる教室に行った。

 先輩はお節介って言うかもしれない。それでもいい。それでもいいから、世話を焼きたいんだ。

 
「春樹……なんでいるんだよ」

 教室から出てきた先輩が顔をしかめて言う。

「世話、焼かせてください!」

「……いらねぇ。帰れ」

 しっしっというように指を動かして先輩は言う。

「じゃあ今日の飯はどうするんですか」

「それは……。ああもう。場所変えるぞ」

 ため息をついて先輩は歩き出した。