なんらかの事情で親元を離れる子は珍しくない。

両親の顔も知らずに供養などできない、と言うものもいる。

そのような子どもを説得するのも大鬼の役目なのだが、今回は勝手が違った。


「それでも、お前は産んでくれた両親よりも先に死んでしまった。

その罪をここで償わなくてはならない」


「どうせ積み上がることなんてないのに?」


少女は周りの様子をよく見ていたのだろう。

積み上げやすいとは言えない石をせっせと積む子ども達、そしてようやく積み上がりそうになるのを崩しに来る自分のことを。

頭のよさそうな奴だ。

大鬼は忌々しく思った。