「こんなに高い塔を積み上げられては、向こうに渡すしかないな」


大鬼は言う。

そうだ、この少女は向こうに渡してしまおう。

自分の役目を失ってしまう前に、早く。

このような立派な塔を積み上げたのだ、渡さない理由がない。


「崩さないの?」


少女が問う。


「もう崩しようがない」


大鬼が答える。







「じゃあ、早い者勝ち」