「何故?」


少女が問い返してくる。

どうやら言葉は喋れるようだ。


「両親への供養ができないだろう」


時々、このような子どもはいる。

周りが何故石を積んでいるのか分からないらしく、ただ河の流れを見つめるものや、両親を探してさまよう子どもなどがいるのだ。

大鬼はそのような子ども等に、何故ここに来たのか、何をすればよいのかを教えてやる。


それが、永遠に繰り返されるとは伝えずに。


「私、両親知らない」


少女の返答に、大鬼はなるほど、と思う。