邪魔者がいなくなった。
仕事ができる。
そう考えた大鬼は、再びかつての日々を繰り返し始めた。
「一重積んでは父のためぇ」
歌いながら、大鬼は塔を片端から崩していく。
ようやく供養を終えられるという子ども等の希望は再び絶たれることとなった。
大鬼は繰り返す。
調子はずれな歌を、繰り返す。
「二重積んでは母のためぇ」
石の塔を、ただ崩す。
崩す。
しかしそこに、あの頃の自分はいない。
積み上がる前に崩してしまう。
子ども等が希望を持つ前に崩してしまう。
何も考えずに。
ただ、崩してしまう。
仕事ができる。
そう考えた大鬼は、再びかつての日々を繰り返し始めた。
「一重積んでは父のためぇ」
歌いながら、大鬼は塔を片端から崩していく。
ようやく供養を終えられるという子ども等の希望は再び絶たれることとなった。
大鬼は繰り返す。
調子はずれな歌を、繰り返す。
「二重積んでは母のためぇ」
石の塔を、ただ崩す。
崩す。
しかしそこに、あの頃の自分はいない。
積み上がる前に崩してしまう。
子ども等が希望を持つ前に崩してしまう。
何も考えずに。
ただ、崩してしまう。