日々の大半が少女によって埋められていることに気付いてからも、大鬼はそれでも少女に振り回されていた。

少女は相変らず塔を積み上げようとはせず、大鬼は諦めつつも塔の意味を切々と伝え続ける。

少女は一応聞いてはいるものの、しかしそれを実行しようとはしなかった。


「両親の顔も分からないような私が供養をしても」


少女はにへらと笑いながらいつもそう答える。

大鬼は呆れながらも、それもそうかも知れない、と思う。