出来上がった石の塔は非の打ち所のないもので、大鬼はそれを崩すことが出来なかった。


「行け」


ただそう命じると、子どもは待ちかねたように河の向こうへと渡る舟場へと駆けていく。


その姿を見送りながら、大鬼は思う。