「こら、もう水切りはいいだろう」


「やだ、自分で水切りできないと探せない」


子どものわがままは手に負えない。

もういい、早く満足させてしまおう。

そうすればきっとこの少女も落ち着くはずだ。

大鬼はそう自分に言い聞かせると、少女の隣に座り込み、手頃な石を探し始めた。


「これは?」


少女が石を一つ手に取り大鬼に見せる。


「駄目だ、お前の手にはでかい。もっと小さいのにしろ」


「じゃあこれ」


「小さすぎる、投げにくいだろう」


「そっか、じゃあこれ」


「もう少し丸い方がいいな」