とりあえず、行くあてもなくタクシーを拾った私は隣町まで来た。
「う"っ……」
やっぱり痛い…なぁ……
ズキズキと痛む肩を抑えながら、静かな夜の町を足を引きずりながら歩く。
今、天ははどうしているのだろうか。
あの、可愛く愛おしいと思わせる寝顔で隣が空いてしまったことにも気づかず寝ているだろうか。
そうだといい。
天も今日はきっと、もう疲れてしまっただろうから。
どうか朝までぐっすり寝ていて欲しい。
私が隣にいないことになんて気づかずに。
嗚呼、本当に痛い。
もう肩の傷が痛いのか、それとも心が痛いのか
分からなくなってしまった…。
いや……
どっちも痛いのか………