『…夜が明けるまでは、静かにしてようね。』



そう言うと、さすがの二人も静かになる。



…ああ、しんみりしてしまったな…せめてもう少ししてから説明した方が良かったのかもしれない…。



そんなことを考えながら二人を見て、どうにかする歩法がないかを考える。



…うん…鬼はいないし、少しくらいなら会話しても良さそう…よし。



『…二人はさ、推しに会ったら…何したい?』



いつもの笑顔を浮かべながらそう言うと、二人はそれどころではない…と言いたげな顔をしてくるから、続ける。



『雅は?そもそも推し、炭治郎だけなの?』



雅「…や、宇髄さんも好きだけど…。」



『宇髄さん!良いよねぇ、イケメンらしいじゃん?で、一夫多妻だ!』



笑顔で続けていく。



二人には、うるさいくらいの元気と笑顔が似合うから。



『炭治郎に会ったら?』



雅「…炭治郎に会ったら…禰豆子と一緒に、三人で何かしたいな…。

何でも良いの、禰豆子が出来なかったことを…一人じゃ出来ないようなことを、人として一緒に…。」



『良いじゃん…!それで、宇髄さんは?』



雅「抱っこして欲しいなぁ、身長高いから、どんな景色が見えてるのか知りたいの。」



『おお、いいじゃんか…!高い所平気なの良いなあ!!』



にこにこ笑いながら、次はママの方へ目を向ける。



『ママは?伊之介に会ったら?』



麗子「…とりあえず、ほわほわさせたい。」



『初っ端ほわほわwほわほわさせるなー!って怒られるw』



麗子「何かあの野生な感じが好きだからさー、その怒ってる所も見たいよね。」



分かる!って言いながら相槌を打つ。



『じゃあ!不死川さんは?』



麗子「短気でしょ?悟らせる。」



『悟っ…ww何しようとしてんの?w』



なんて、声を小さくしながらコソコソと話を続ける。



『…良いね、二人とも良い夢持ってる。そのために、ここから生きて出よう?

…元気失くしてたら、いざという時逃げられなくなっちゃうかもしれないでしょ?』



にこっ、と笑いながら言えば、笑い返してくれる二人。



雅「一番怯えているであろう楓が良く言うわ。」



『ここは何かもう少し違う言葉掛けるところでは??』



麗子「臆病者。」



『泣かせに来てる??』



…でも、通常運転に戻ったらしくてよかった。