屋上へ、足を向ける。
きっとあいつが、ひとりで空を見ているはずだから。







時刻は放課後。
ヒスイは昼休みに消えて、その後戻ってこなかった。

だから、呼び戻しに行く。



って言っても、放課後になって既に一時間は経っている。

ホントはもっと早く行く予定が、ハヤテと話していたらこの時間になってしまった。





「はぁ、なるほど。いつも通りだな」

「先輩って言ってたから、一年だよー。あー、もったいない」

「………。お前、ことある事にそういう事言うよな」

「………」


例の告白について、ハヤテが詳しく教えてくれる。
いつもと同じように振ったらしい。

『君の気持ちに答えられない』と。


今回は断ったあとどっかに行ってしまったが、毎回ヒスイは‘付き合えばいいのに’とハヤテに言われている。

まぁ、もしかしたらそれもあって、どこかに行ったのかもしれない。





「ヒスイはさ…、儚いよね」



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