「また、振ったんだってな」
放課後、屋上で空を見ていると突然、話しかけられた。
俺が一人きりのとき、声をかけてくる奴は限られてる。
この、落ち着いた声は…ディオン。
中学からの付き合いの、友人と呼べる奴。
「………」
振った場所が場所だから、もう噂になってるらしい。
「まあ、オレに詳しく教えたのはハヤテだけどな」
(あいつか)
「ま、噂にもなってるけどな」
(なってるのか)
「ハヤテの奴、騒いでたぞ。“すっごい可愛いー子だったのにー!”って」
「…そう言われてもな」
そう、言われても困ってしまう。
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