ハヤテとディオンを見る。
俺が何も言わないから、心配したのか俺の名を呼ぶ。

だから、二人に大丈夫だと言うために顔を上げ、視線を二人に向けたんだ……。





―『ぁ……』





そして、視界に入ったのは…―――、





―『……母さん?』








―――…母さん……だった。




それからはよく覚えてない。
気が付いたら走り出していた。

母さんが消えた方角に向かって…。




どうして…?




なんでいるの?




どうして、あの時………。



母さんに聞きたいことが次々に出てくる。





追いかけて、追いかけて、追いかけて……。




―――…見つけた!




母さんの後ろ姿…。


手を伸ばす。


「母さん!!」

「!」








伸ばした手は、母さんの腕を捕らえた。


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