ヒューイ、リュウの言葉にランスはやっと納得したらしい。
多少言いくるめられた感もあるため、ガックリと肩を落としている。

しかしハヤテは、ヒスイとディオンが走っていった方角をじっと見ていた。





―『ぁ……』

―『ヒスイ?』

―『………さん?』

―『ぇ?』





(…ヒスイ、あのとき「母さん」って言ってた…?

そういえば、ヒスイの家族のこと…あんま知らないな…。)









誰を見たのか知らないが―――、





―『ぁ……』

―『……母さん?』





(でも、母親を見たぐらいであんなに驚くか……?)








――――ヒスイは目を見開き、その誰かを見つめていた。





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