ランスやヒューイ、ファウルたちが騒いでるなか、ヒスイはテレビを見続ける。
テレビでは壊れた無人衛星が映し出されたままだった。


「ヒスイ?」

「………」

「気になるのか?」

「ん……まぁ…」


視線をさまよわせて、結局足元に向ける。

―――気には、なる。でも、どうして気になるのか…。


「ヒスイ? どしたのー?」

「ぁ。何でも…」


ハヤテの問いに今度は顔をあげ、ハヤテとディオンを視界に収め……。


「ぁ……」

「ヒスイ?」

「………さん?」

「ぇ?」

「っおい!」

「あ! ヒスイ!!」


ヒスイは何かを呟いて、走り出して行ってしまった。
そしてディオンは、ヒスイのあとを追っていった。


「なん…だ?」

「追いかけないのか? ハヤテ」

「うん? ディオンが追いかけたから大丈夫だよ」

「お前…」

「それに、話して大丈夫なことは聞けば教えてくれるし」

「でもなー」

「い・い・の! ヒスイ、何か驚いてたし、思わず走り出したって感じだったし。

思わず走るだけのことがあるんだよ。それを何人も追いかけて行く必要はないよ」


ランスはハヤテの言い分に納得ができず、まだ眉間に皺をよせている。


「ハヤテがそう言うならいいんじゃん。話していいことは話してくれるっぽいし」

「ん゛〜」

「そうだよ。今日知り合ったお前が言わなくてもわかってると思うよ」

「それに、この人混みじゃあ、今から追いかけても見つからないだろうしな」

「………ソウデスネ」


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