「なんか、騒がしいな」
歩いていると、前方が騒がしい。
街なので騒がしいのは当たり前だが、それとは違う騒がしさがあった。
人々はみな、街頭に写されているテレビに視線がいっている。
『――……地球の観察を目的として置かれていた、人工衛星が破壊されていました。これで四件目になります。未だに何が原因なのか、わかっていません。
また、現在、地球内部の状況を知るために送られた観察艇マークとも連絡が途絶えているという情報が入ってきました――』
「!」
「なっ、またかよ…」
「最近多いよな…。この前も衛星壊れたんじゃなかったっけ」
「衛星壊すにしても、宇宙にあるんだから故障…だよなぁ」
「でもさー、今回壊れたのって最近飛ばしだのっぽいよー。この事件が起きたから色々チェックとかして強化までしたヤツ」
「うぇ、まじか」
「………」
「ヒスイ?」
「……衛星は無人だけど、マークって今回、有人じゃなかったっけ…」
「………」
「…そういえば、そうだよな。地球の様子が見たいって、乗ってたよな」
「ああ。そうニュースでやってた」
「………」
「…大丈夫! 連絡がないだけなんだから、すぐ無事が確認できるって」
「だよな!」
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