「ぁ……」

「俺に用って、何?」


ドアの所に着き、‘俺に用’という子に話しかける。
その女の子は話しかけた途端、赤くなってしまった。


もしかしなくても、“あれ”だろうか…。


「あ、ぇと、わたし。その! その…」

「………」


その子はオドオドしながら、必死に言葉を探している。
とりあえず、彼女が何を言うかはわからないから、言葉を待つ。
すると、覚悟を決めたのか顔を上げた。


「好きです! 付き合って下さい!」



(ああ、やっぱり)



そう思って、目を瞑る。


何を言うかは決まっている。

ちょっとの罪悪感を感じながら、目を開け、俺は口を開く。




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