「わーい。お昼ー、おーひーるー」
先ほどの『移住の過程と再生』の講義を終え、皆一斉に講堂から出て行く。
時刻はちょうどお昼時。
みんな、口々にハヤテと同じようなことを言っている。
しかし、見回したところ騒いでいるのはハヤテしかいない。
「…ハヤテ、うるさい」
「昼なのはわかったから、少し黙っとけ」
「うーわー、二人ともひどーい」
ヒスイ、ディオン、ハヤテも同じように講堂から出てきた。
しかし、ヒスイとディオンの機嫌は悪かった。
その理由の一つは、誰もが知っている話の講義だったこと。
もう一つは―――、
「ハヤテー、寝起きで機嫌悪いんだよ。そいつら講義中、寝てたから」
―――寝起きだからである。
「ずるい! オレ、一番前だったから寝れなかったのに!」
「「そこじゃないだろ」」
(………)
―コホンッ
「で、ファウル。なんか用?」
「あ」
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