『かつて、私たちの祖先は地球に住んでいました。


しかし、自分たちに便利であることを追求し、地球を無視した行為を続けた結果、温暖化が進み、環境が破壊され、異常気象が次々と起こり、少しずつ壊れていき、今の地球へと近づいていったのです』



映し出されるは、かつての蒼い地球。
青く輝く海と生い茂る緑が溢れる……地球。

しかし、話とともにだんだんと赤黒い褐色へと変化していく。

そう、現在の地球へと…。



『そして地球には、人が住むために必要なモノが次々と無くなっていきました。


はじめに水。

科学物質が混じりだし、魚や貝といった川や海の生物に影響を出し始めました。そして人はそれらを口にすることをやめました。
また、雨にも酸が混じりだし、雨の日に外を歩くことが出来なくなりました。


次に土。

汚れた水は土にも染み出し、花や樹を枯らし始めました。
雨の影響もあり、農作物にも影響が出て、最後には収穫することも出来なくなりました。


空気も澱みました。

風も巡ることをやめました。
生身では吸えないほどに、科学物質を混じらせた空気が世界に充満し始めました…』



スクリーンにも、その映像が映し出される。
それでも、この時はまだ彼の地に生命は存在していたのだ。

現在は…きっともう、何も存在していない。



『だから人々は、その時持っていた技術の全て注ぎ、人の住める衛星をつくり、そこに居を移しました。



それがここ居住型衛星・アース。



この居住型衛星・アースは現在、01〈ゼロイチ〉から10〈イチゼロ〉まで存在します』


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