「知ってるよ。あいつも一緒に聞いたから」
「……そっ、かぁ〜。
いくらオレが言っても無理なわけだよな〜。つか、言ってよー」
ハヤテは、そう言って顔を上げた。
少しだけ恥ずかしさと脱力感を滲ませた表情をして。
それを見て、知らないうちに緊張していたらしい顔が、緩むのがわかる。
「あいつ自身にも問題はあるんだ」
「へ?」
「彼女にっていうか、まぁ、興味持たなかったんだよ」
「……もしかしたら、付き合うとかそれ以前の問題なのかな」
「………」
ハヤテに話して良かったと思う。
「じゃあ、部活行くわ」
「…ハヤテ、ありがと」
「うん!」
「(……ん?) ……お前、帰宅部じゃなかったっけ?」
「助っ人ー。次のサッカー部の試合出るから、応援よろしくー」
「ヒスイ連れてくよ」
本当に、話せて良かったと思う。
オレもあんな風に言い合うのは初めてだったけど、ヒスイを本当に心配してるってわかって、嬉しかったよ。
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