私たちが近づこうとしても、「来るな」と暮人さんは言い……。
誰ひとり、一歩も近づけない状態に。
暮人さんはゆっくり体を起こすと、月城組組長に手を差し伸べた。
「それは許せることじゃねぇ……。許せることじゃねぇが……俺は、大切なダチであるおまえまで失いたくない。
だから……罪を償え。そして……すべてを元に戻せなくても、また最初から一緒にやりなおそう」
真剣な表情。
まっすぐな瞳。
月城組組長は目を逸らして下を向いた。
目を逸らせば、暮人さんは「直秀」と強く名前を呼び。
再び目が合えば……。
「……やりなおせるか」
声は小さく聞こえてくる。
ちゃんと、私の耳にも届いた。
「やりなおそう」
強く暮人さんは返事をして……。
その手をとって、起き上がる月城組組長。