「おまえ、この状況を見てみろ!俺たちのせいでこんなに傷ついてるやつらがいるんだ!
俺がおまえをあの時とめられなかったせいで、おまえがとまらなかったせいで、こんなに無関係のやつらが傷ついてるんだよ!」
必死に言う暮人さんに……月城組組長は、視線をこっちに向けた。
よくまわりを見たあと、その視線は倒れたままの未玖ちゃんへ。
「ちがう……。俺が今までやってきたことはまちがってない……。絶対に、まちがってない……!!」
響き渡る乾いた音。
撃ったのは……月城組組長。
「暮人!!」
「親父……!!」
声を出す良典さんと暁。
2人はそっちに駆け寄ろうとするが、暮人さんは顔をゆがめながらも笑顔を作った。
「……心配するな、かすり傷だ」
そう言っても、垂れていく血。
至近距離で、腹部あたりに確実に銃弾が当たっている。