伸ばされた紫乃の手。
それを、月城岳はただ握る。



そ、そんな……。
紫乃まで……。





「直秀!!おまえは守りたかったはずだろう!!失いたくなくて今までやってきたはずだろう!!」


ぐっと拳を握り、大きな声を出した暮人さん。
一方で……。


「地獄から蘇ってきたと思ったら……説教か。今度こそ地獄に送ってやる……」


月城組組長は、体を起こすと暮人さんに拳銃を向けている。


それでも暮人さんは怯まず。
月城組組長の胸ぐらをつかみあげた。