その場に倒れた人物。
その人は暮人さんではなく……紫乃だった。
銃が撃たれる直前、暮人さんと月城岳の間に入っていた彼女。
胸あたりが赤く血で染まっていく。
月城岳は目を見開き……持っていた銃を地面に落とした。
呆然と瞬きを繰り返し、倒れた紫乃を見て。
力が抜けたように紫乃の目の前に座り込む。
急すぎることが連続で起こるから、私も脳が追いつかない。
「岳様……お願いですから、もう戦うのはやめてください。私は、岳様が大切で……幸せになってほしいと思っています。岳様には、もう復讐を考えてほしくありません……」
苦しそうに声を出す紫乃。
徐々に声が小さくなっていく。