今車をおりて……激しく後悔。





……なんという、最悪なタイミングなんだろう。






家の中から出てきた、2人の男性。
和服姿の男性と、黒服姿の男性の2人。



圧倒的存在感。
足がすくんでしまうような威圧。



──月城組組長と、月城組若頭の月城岳の2人。




外に出て、暁は瞬時に自分の背中に私を隠した。




「あいつだ……!一条暁が撃ったんですっ!稲森がここに連れてきて、一条暁が未玖様をっ!」


焦ったように急に暁を指さしたのは、1人の組員。


紫乃と未玖ちゃんを囲むように立っている組員たちの手には、拳銃。



この中のだれかが撃ったはずなのに……。
敵対する一条組だからって、暁のせいにするなんて……。



「な、なに言って……!?組長!!岳様!!一条暁はなにもしてません!!」


未玖ちゃんを支えて止血しながら、必死に言う紫乃。