だってその人の横顔は、『翔』にとても似ていたから。

まさか、あいつが医学業界に携わってるだなんてことはないはず。

だって、変わり者だし、城好きだし。
城好きは関係ないか。

いわゆる医者のような風格や威厳はないような気がするもの。

うん。まずないな。

だけど、あの例の「一緒に松山城見に行こう」のLineからぱったり翔からの連絡は途絶えていた。

私もなんとなく連絡も入れてないし。

元気にしてるのかな。珍しく忙しくしてるのかもしれない。

今日は立花さんのことでむしゃくしゃしてるし、飲みに行きたい気分なんだけど。

私が飲みに行きたい気分の時は大抵不思議と翔から連絡があった。

飲みに行きたいタイミングがきっと似てる。

でも、大抵飲みに行っても私の独演会で、翔はもっぱら聞き役なんだけどね。


全ての来賓者が帰り、片づけを終えた私達はすぐに本社に戻らずそのままお昼を取ってから戻るようチームリーダーからの指示があった。

さっきのことが気になっている私は萌をランチに誘う。

本社ビルから道路を挟んだところにおいしいインド料理屋があった。

本場インド人ではなくネパール人が調理を担当していたけれど、ナンがふわふわのもちもちでとてもおいしくてよく食べに行くお店。

萌も辛い物は大丈夫なようだったから、二人とも辛さは☆三つにして日替わりカレーランチを頼んだ。