「忙しそうだけどそんなに仕事増えて大丈夫なの?」
「はい、がんばってみます」
萌は頼りなげに微笑んだ。
そりゃそうだよね。
大先輩に振られた仕事、断れるはずもないもの。
「私、今仕事がひと段落してるから、大変な時はいつでも手伝うから遠慮なく言ってね」
小さな彼女の肩に手を置いた。
私の目を見つめ頷いた萌の瞳が微かに潤んでる。
あー、なんだか立花さんに久々にイライラしてきた。
だって、こんなまっすぐな萌を利用して自分ばっかり楽になろうだなんて。その魂胆見え見えなんだもの!!
だけど、こんなことを当の本人に言える立場ではない私は、陰ながら萌を支えることしかできない。
あとは、同期の美由紀に愚痴を聞いてもらう、か。
彼女は切れ者だから何かいい案見つけてくれるかもしれないわね。
とりあえず、美由紀も今回のプロモーションでは重要な役回りの一人だから、今日が終わって落ち着いてから相談してみよう。
横断歩道を渡り、ようやく本社ビルに到着した。
「戻りましたぁ!」
総務部で一人パソコンの前に座って待機している立花さんの背中に声をかける。
相変わらず手入れの施されたつやつやの黒髪は、後ろから見たら平安時代の姫かと見紛うくらいに背中の中央まで真っ直ぐにおりている。
それにしたって、彼女は、どうしてかこの忙しい最中、いつもお留守番役。
部内が空っぽになったら何かあったとき困るでしょ?って言うんだけど、別に普段から仕事振りまくって暇をもて余す立花さんが残る必要はないわけで。
ま、あんな忙しいイベントに来られて前髪くるくるされてるのも鬱陶しいだけだからいいんだけどね。
「はい、がんばってみます」
萌は頼りなげに微笑んだ。
そりゃそうだよね。
大先輩に振られた仕事、断れるはずもないもの。
「私、今仕事がひと段落してるから、大変な時はいつでも手伝うから遠慮なく言ってね」
小さな彼女の肩に手を置いた。
私の目を見つめ頷いた萌の瞳が微かに潤んでる。
あー、なんだか立花さんに久々にイライラしてきた。
だって、こんなまっすぐな萌を利用して自分ばっかり楽になろうだなんて。その魂胆見え見えなんだもの!!
だけど、こんなことを当の本人に言える立場ではない私は、陰ながら萌を支えることしかできない。
あとは、同期の美由紀に愚痴を聞いてもらう、か。
彼女は切れ者だから何かいい案見つけてくれるかもしれないわね。
とりあえず、美由紀も今回のプロモーションでは重要な役回りの一人だから、今日が終わって落ち着いてから相談してみよう。
横断歩道を渡り、ようやく本社ビルに到着した。
「戻りましたぁ!」
総務部で一人パソコンの前に座って待機している立花さんの背中に声をかける。
相変わらず手入れの施されたつやつやの黒髪は、後ろから見たら平安時代の姫かと見紛うくらいに背中の中央まで真っ直ぐにおりている。
それにしたって、彼女は、どうしてかこの忙しい最中、いつもお留守番役。
部内が空っぽになったら何かあったとき困るでしょ?って言うんだけど、別に普段から仕事振りまくって暇をもて余す立花さんが残る必要はないわけで。
ま、あんな忙しいイベントに来られて前髪くるくるされてるのも鬱陶しいだけだからいいんだけどね。