後ろに固く編み込んだ髪が、彼女の未だに途切れない緊張感を漂わせている。
「最近どう?この間、帰り際に立花さんに会議室に呼ばれてたけど何かあったの?」
「あ……」
濃い色の唇が一瞬何かを言おうとしたけれど、すぐにキュッと固く閉じた。
ちょっと不審に感じて、尋ねてみる。
「ん?私には何でも言ってね。力になれることあれば協力するよ」
「あの……新しいお仕事を教えてもらってたんです」
え?
また仕事増やされたの?残業ばかりの彼女に?
てっきり、効率よく仕事を進めるためのアドバイスか何かされてるのかと思ったのに。
「新しい仕事って?」
「経費伝票。今回のプロモーションの経費関連全般の」
「えー?そりゃ大仕事じゃない?」
確か立花さんがずっとやってきた仕事で、株主総会並みに重要で絶対にミスが許されない仕事の一つ。
まだ一年も満たない新人に任せる仕事じゃないし、立花さんは自分の仕事をどんどん後輩に振っていって、自分は一体何やってるわけ?
私たちが忙しくてバタバタしている中、いつも男性社員に媚を売りおしゃべりばっかりしている上に、自分が仕事で失敗しても迷惑をかけられた私達に謝ることを絶対しない立花さんのことを私はどうも好きになれなかった。
だから、今回総務部長が萌の指導役を立花さんに割り当てた時からずっと心配してたんだ。
やっぱり心配は的中していたのかもしれない。
毎晩、萌が残業しているのは立花さんが仕事を振り過ぎてるからなんだ、きっと。
「最近どう?この間、帰り際に立花さんに会議室に呼ばれてたけど何かあったの?」
「あ……」
濃い色の唇が一瞬何かを言おうとしたけれど、すぐにキュッと固く閉じた。
ちょっと不審に感じて、尋ねてみる。
「ん?私には何でも言ってね。力になれることあれば協力するよ」
「あの……新しいお仕事を教えてもらってたんです」
え?
また仕事増やされたの?残業ばかりの彼女に?
てっきり、効率よく仕事を進めるためのアドバイスか何かされてるのかと思ったのに。
「新しい仕事って?」
「経費伝票。今回のプロモーションの経費関連全般の」
「えー?そりゃ大仕事じゃない?」
確か立花さんがずっとやってきた仕事で、株主総会並みに重要で絶対にミスが許されない仕事の一つ。
まだ一年も満たない新人に任せる仕事じゃないし、立花さんは自分の仕事をどんどん後輩に振っていって、自分は一体何やってるわけ?
私たちが忙しくてバタバタしている中、いつも男性社員に媚を売りおしゃべりばっかりしている上に、自分が仕事で失敗しても迷惑をかけられた私達に謝ることを絶対しない立花さんのことを私はどうも好きになれなかった。
だから、今回総務部長が萌の指導役を立花さんに割り当てた時からずっと心配してたんだ。
やっぱり心配は的中していたのかもしれない。
毎晩、萌が残業しているのは立花さんが仕事を振り過ぎてるからなんだ、きっと。