パソコンを立ち上げ、「さてと」と画面に向かってつぶやき、たまっている請求書の処理にとりかかった。

やってもやっても終わらない書類の束にうんざりしながら、自分の次の決意はいつ訪れるんだろうかと更にうんざりした気持ちになる。

まず翔とは、ひょっとしたら最後になるかもしれない旅を思い切り楽しむことにしよう。

その先のことは、竹部さんにきちんと別れを告げられてから考えるとするか。

って、なんだかちっとも前向きにならないことばっかりだ。

この今一つな連鎖を早く断ち切りたいと思っていたら、その日の夜、母から祖母の体調がとてもいいので退院が決まったという報告を受けた。

なんとかこの連鎖を抜けれたような気がしてホッとする。

一つ悪いことがあったら一ついいことってあるもんなのよね。

めげずにがんばろう。

腕をまくり、晩御飯の白飯を口に放り込んだ。