12.翔
『美南?』
「あ、うん」
『ごめん、もう寝てた?』
ソファーでいつの間にかつっぷして寝ていた私はスマホを耳に当てたままゆっくりと体を起こし、リビングの掛け時計を半分閉じた目で確認する。
もう0時過ぎ。日付が変わっていたことに驚きつつも、この電話の主がこの時間にしかかけれなかったことに同情する。
電話の主が、翔ってことはすぐにわかったけれど。
「もう家なの?」
寝起きの普段よりもくぐもった声で尋ねる。
『うん、今帰ったとこ。遅くなってごめん』
「私は大丈夫だけど、忙しいなら明日でもよかったのに」
『正確には、美南がメール送った日からもう【明日】になってるけどね』
翔はかすれた声でそう言い、鼻で笑った。
「くだらないわ」
私も軽く笑って、ソファーの上に三角座りをする。
少しの沈黙の後、彼は静かに続けた。
『なんとなく早めに返事した方がいいような気がして』
うん。そう。
待ってたもの、ずっと。
あのLINEの後、しばらく放置されるなんて私には考えられなかった。
『で、前言ってた通り二十五日、二十六日、俺の都合は大丈夫だけど美南の都合はどう?』
「まるで私にクリスマスの予定が入らないってわかったような日取りっていうのが少し気に入らないけど」
『入らないっていうか……入ってないなら俺が先約しようかなと思っただけ』
またちょっと意味深な彼の言葉にすぐに返せず黙っていた。
『美南?』
「あ、うん」
『ごめん、もう寝てた?』
ソファーでいつの間にかつっぷして寝ていた私はスマホを耳に当てたままゆっくりと体を起こし、リビングの掛け時計を半分閉じた目で確認する。
もう0時過ぎ。日付が変わっていたことに驚きつつも、この電話の主がこの時間にしかかけれなかったことに同情する。
電話の主が、翔ってことはすぐにわかったけれど。
「もう家なの?」
寝起きの普段よりもくぐもった声で尋ねる。
『うん、今帰ったとこ。遅くなってごめん』
「私は大丈夫だけど、忙しいなら明日でもよかったのに」
『正確には、美南がメール送った日からもう【明日】になってるけどね』
翔はかすれた声でそう言い、鼻で笑った。
「くだらないわ」
私も軽く笑って、ソファーの上に三角座りをする。
少しの沈黙の後、彼は静かに続けた。
『なんとなく早めに返事した方がいいような気がして』
うん。そう。
待ってたもの、ずっと。
あのLINEの後、しばらく放置されるなんて私には考えられなかった。
『で、前言ってた通り二十五日、二十六日、俺の都合は大丈夫だけど美南の都合はどう?』
「まるで私にクリスマスの予定が入らないってわかったような日取りっていうのが少し気に入らないけど」
『入らないっていうか……入ってないなら俺が先約しようかなと思っただけ』
またちょっと意味深な彼の言葉にすぐに返せず黙っていた。