その少女は夢を見る





















あなたと、あなた達と、愛する人達と、ただ、









笑い合いたいだけだったのに























すみません、新撰組以外の子達が結構居たので、此処で復習?というか設定を書かせてください。









桜宮千雨(さくらみやちさめ)

女。身長160cm。

髪は背中の半分くらいの長さで、耳より下で一つに結っている。

前髪は長めで右に流しているが、左にも流てしまっているため顔は中々見えづらい。

瞳は黒。

顔は中性的で決して美形というわけではない、平均並みでよく見ると少しは整っているかな?というくらい。

クラスメイトの人気者四人組を何故か恨んでいるが、その四人組には気に入られており、特にその中の一人「島野英音」にはかなり気に掛けられている。

家庭環境が中々に複雑だったらしく、他校の友人などを兄等と言い家族のように接していたとか。



神羅(しんら)

男。身長178cm。

髪は肩より少し長めの銀髪ストレート。

瞳は黄色(?)。

顔は爽やか系のイケメンだが、笑うと何となく可愛くも見える。

自称神、クソ神と呼ばれているが、普段千雨にしか見えず宙に浮いている所を考えるとどうやら本当に神らしい。

ちなみに千雨の第一弄り対象。



島野英音(しまのえい)

男。身長182cm。

肩くらいまでのふわふわした癖っ気の栗色の髪。

瞳は焦げ茶色。

顔は爽やか系でよく整っており、学校ではかなりモテる。

何故か千雨をとても気に掛けており、何かと声を掛けたりとしている、千雨のクラスメイトの人気者四人組の一人。

基本クールであまり話さず、Sっ気があるが、千雨に対しては何故かとても優しい。



白野美咲(しらのみさき)

女。身長156cm。

長い茶髪を下結びツインテールにしている。

瞳は青色。

顔は可愛いと美人の中間くらいで整っている。

千雨のクラスメイトの人気者四人組の一人。

クラスのムードメーカーでいつも騒いでいるタイプ。



日向夏生(ひなたかい)

男。身長165cm。

短めのくるくるとした金髪。

瞳はオレンジ色。

顔は可愛い系で整っている。

千雨のクラスメイトの人気者四人組の一人。

サッカー部レギュラーで控えめながらに中々騒ぐタイプ。



日向柚夏(ひなたゆずな)

女。身長148cm。

長い金髪を下ろしている、時にポニーテール。

瞳は緑色。

顔は可愛い系で整っている。

千雨のクラスメイトの人気者四人組の一人。

他のメンバーよりもお淑やかで可愛らしいという印象を持つ。



黒瀬桜(くろせさくら)

女。身長150cm。

長い黒髪ストレートをいつも下ろしている。

瞳は赤色。

顔はとても可愛らしく、学校でも一二を争う美少女だった。

明るく優しい、面白い元気な子で、千雨と一緒に居た。

本人曰く千雨の親友であり妹と言っており、言う通りとても仲が良かった。

ある日屋上から飛び降りて自らの命を絶つ。








まだ増えると思われますが…この先も出る予定なのは千雨と神羅と桜くらいです。



基本名前ででしか出ませんが、念の為…



長々と設定だけを失礼しました…!














新撰組ってね、凄く好きなんだー。









歴女は新撰組好きな人多そーとか言うんでしょ?









それだけが理由ではないんだけどねー!









だって、新撰組ってさ、









人を裏切ったりとかしなさそうじゃない?











『ってことで今日は土方様お願いしますー。』



ちょっとわくわくしながら土方様のお部屋に入ってそう言う。



土方「ああ、てめぇには色々やってもらいてぇことが…って何してんだ。」



『え?やー、俳句集何処に隠してんのかなー、と。』



土方「初っ端から何してやがるっ…!!」



『そんなに怒ったら眉間の皺取れなくなっちゃいますよー?』



おちょくるようにそう言えば、彼はイライラしたような顔で僕を睨む。



土方「総司みてぇな話し方すんな…!!」



『一緒にしないでくださいよー、僕にとっては彼も弄る対象です。弄れる所を探りたいんですよー。』



僕はこんな奴だ、人が居ればすぐに弄りたくなる。



例えそれが誰だとしても関係なく弄りたくなっちゃうんだ。



まあこれは性だね、母親に似たってことで許して欲しいかなって思ってるよ。



『欠点を探られるな、欠点を探れ。』



土方「…あ?」



『母の教えです、小さい頃からこう言われて育ちました。他にも、借りは作るな貸しを作れとか…人を信じるなとか…色々な教えを受けて育ちましたから。』



お前は軍隊か、って葉兄とか他の兄にツッコまれたなぁ。



土方「てめぇ本当はこの時代の生まれか?」



『やめてくださいよ、僕はれっきとした平成生まれですから。』



世代が違いすぎます、ジェネレーションギャップどころの問題じゃ最早ないです。



そう思いながら彼を見遣る。



土方「…まあ良い、とりあえず仕事を教えるからこっち来い。」



『覚え早いわけじゃないんで、覚えないからってバッシーンとか嫌ですよ?』



土方「俺を何だと思ってんだ…?」



『鬼の副長様でしょう。』



土方「よし、頭貸せ。」



『殴られると分かってて貸す馬鹿が何処に居るんですか。』



いや僕頭はそんなに良くないけど流石にこれは分かるね。



馬鹿にしないでいただきたい、殴られたくはないです。



もう一度言おう、僕はNだ。





『いやぁ、人遣い荒そうな気はしてたけどここまでとは。』



体験一日目の午前が終わり、一時休憩時間を取ってもらえたため部屋でぐだーっとする。



はー、思ったより人遣い荒いのは何なのかな良くないぞ鬼め。



そう思いながらぶつぶつ言い、天井を見つめる。



『…何処だよ。』



神羅〈もしかして俺探してるー?〉



軽そうな声とともに出て来たのは、自称神からクソ神に成り下がった神羅さん。



神羅〈成り下がらせないで??普通に神羅って…って今初めて神羅って言ったよね!?〉



『そう言う言われ方すると凄く悲惨に感じますよ。』



神羅〈俺を悲惨にした本人がよく言うよね。〉



僕をこんな所に送り込んどいてよく言うよね、寧ろ優しい方だと思うんだがこれは間違いだろうか。



神羅〈いやほんと…よくもまあ簡単に潜り込んでくれたなって思うよ。〉



『…というと?どこぞのあなたの敵がダメな形で変えようとしている歴史ってまさか…』



神羅〈新撰組の歴史だね。〉



それを聞いて額に手を当てる。



『…そいつやっちゃってるなぁ…。』



神羅〈んー?〉



『…新撰組の歴史を悪い方に変える…?そんなのこの僕が許すとでも思ってるんですかね…?』



そう言いながら、にこりと笑う。



『大好きな新撰組を悪く変えさせるわけないだろうが。』



そう言い、もう一度笑う。



するとクソ神はわざとらしく震えたふりをする。



神羅〈千雨は!!怒らせちゃ!!いけないタイプだね!?〉



『あらま、今更ですか。』



神羅〈改めて、が正しいような気がするかなあ!!〉



一々大声出してうるさいな、なんて思いながらクソ神を軽く睨みながら笑う。



『疲れてるんで少しくらいはお静かに?』



神羅〈スミマセンデシタ。〉





『あはは。』



どうもみなさんこんにちは、一日の体験が終わった桜宮ですよ。



お仕事の終わった桜宮はただいま廊下で死んでいます。



何故かって?



『鬼方人の扱いが雑すぎますよねぇ?』



神羅〈いやぁもうドンマイしか言えないやぁ。〉



そう言いながら何処から出したかも分からないような団扇で僕を扇ぐ。



今だけは心から神羅さんに感謝しましたよ。



『鬼方様弄る暇とかないくらいに仕事押し付けてきたんですけど死ぬかもしれない。』



もうこれ以上鬼方様のところで仕事する必要はないかな。



断固拒否だわ。



『これで斎藤様も変わらない感じだったら僕はもうここを出ます。』



神羅〈沖田が居るじゃん。〉



『沖田様は最初から断固拒否です、何されるかわかったことじゃない。』



鬼方様が鬼なら沖田様は悪魔です悪魔。



「酷い言いようだなあ。」



死んでいる僕の顔を覗き込みながらそう言ってくるのは悪魔…基沖田様。



『沖田様、今のは馬鹿な一人の小姓見習いとして聞き逃してはくれませんか。』



沖田「どーしよっかなー?」



これ詰んだって感じかな。



神羅〈相変わらず呑気だよねっ!〉



何かいつの間にかマイペースになってたんですよね。



決して誇れることじゃない、寧ろ僕の欠点だとさえ思われる。



沖田「まぁとりあえず…君、今日の夜は一緒に食べるでしょ?」



『…?』



沖田「ごーはーん。」



『いや、それはまだ良くないんじゃないですか。あなた達僕のこと信用しきってないから色々調べてるんでしょ。』



そう言うと、少し顔色を変える。



ちなみにこれはクソ神に聞いたことであり僕が知ったことではない。



もう一度言おう。



僕が知ったことではない(真顔)



沖田「…そんなことまで見抜かれてるのかぁ。」



『とは言え一々みなさん見張りに来るの大変そーですよねー。僕逃げたりしないのになー。』



沖田「その根拠が見つからないからね。」



『そりゃあ未来から来たのに根拠も何もありますか。』



どこ出身だーとか、どこから来たんだーとか、どんな家に生まれたーとか。



そんなこと聞かれても、答えたって通じないじゃないですか。



別に僕は答えてもいいんですけどね。





沖田「ま、良いからご飯行こう?」



『あれ、もうそんな時間…?』



沖田「知らなかったの?」



…もうそんなになるのかー、鬼方様の小姓やってると時間がかなり経つらしいね。



沖田「今何考えてる?」



『もう二度と鬼方様の小姓体験なんてごめんですね。』



沖田「ふっ…はははっ、鬼方って!桜宮くんってほんとに最高!」



その場でケラケラと笑い転げる沖田様。



今この場に鬼方様来ていたら危なかった気しかしない。



『怒ってる鬼方様にはどうどうって言ってやりたくなりますね。』



沖田「鬼の次は馬扱い…w」



『いやだって凶暴さはそのくらい…いや鬼だからもっとですかね。』



沖田「僕、桜宮くんのそういう所良いと思うよ?」



笑いながらご飯を食べる所に連れて行ってくれているらしい沖田様について歩くと、お部屋についたらしく…笑ったまま開けて入っていく。



沖田「はあ…はあ…あれ、入らないの?桜宮くん。」



『あー…いや入って良いのかなー、と?』



沖田「良いに決まってるでしょ?入って入って。」



そう言う沖田様に引っ張られれば中に入ってしまう。



そこにはやっぱりさっきの見知った人達が居て。



土方「総司、遅えぞ。」



沖田「鬼方さんがあまりに人遣いが荒いせいで桜宮くん疲れちゃっててー。」



土方「おい総司。鬼方って誰だ?」



『沖田様、死にます、殺られてしまいます。』



沖田「桜宮くんが土方さんの事を鬼方さんって言ってました。」



『沖田様ああああああ!!』



それを聞いた鬼方様が、鬼の形相で僕の方を見る。



土方「…おい桜宮ァ。てめぇどうやら今日くらいじゃ元気が有り余って大変らしいなぁ…?」



『そんな事一言も言ってない。』



土方「次の体験の時はもっと仕事増やしてやるから覚悟しとけよ!!」



『もう二度と鬼方様の所で小姓体験なんてしませんからぁ!!』



女の子への扱いとは思えないな!!



…女って気付いてないからまあ仕方ないのかもしれないけどね!!





永倉「土方さん、そろそろ良いか?」



永倉様のその言葉に彼を見ると、そろそろ腹が減って仕方がないと言いたげな顔をしている。



僕(沖田様)のせいで随分お待たせしてしまったらしく申し訳ない…。



土方「…ああそうだな…総司、桜宮。お前らも早く座れ。」



沖田「はーい。」



『僕はどこに…?』



土方「総司の隣が空いてるだろう。」



…沖田様、と斎藤様の間ということですか?



いやぁ歴女の皆様に全力で土下座をしたい、僕ばかりこんなに良い目に遭ってしまって…。



まあこの先死にそうにはなるのと思いますけどね、主に鬼方様の人遣いの荒さが理由で(遠い目)



そう思いながらも、沖田様と斎藤様の間に座る。



お疲れモードな僕的には早く食べて早く寝たい。



わあお現代に居た頃とは大違いレベルでかなりの健康さ。



深夜勢って奴だったからね、深夜が大好きだったからね、深夜になると本領発揮するの。



一言で言えば深夜テンションですがそれが何か(真顔)



なんて思いながらボーッとみんなが食べ始めるのを待つ。



少し待てば、みんな“いただきます”と口々に言いながらご飯を食べ始める。



『いただきます。』



そう言いながら食べ始める。



ああ、疲れた後のご飯って本当に美味しいなぁ…好き…。



そう幸せを噛み締めながらご飯を食べ進める。



沖田「桜宮くん、美味しそうに食べるねぇ?」



『いやだって実際めちゃくちゃ美味しいですよほんと。』



沖田「そんなに?」



斎藤「…少し分けるか?」



『そこまで食い意地張ってるわけではないですから!?』



即ツッコミながら食べる。



ちゃんと口の中のものが終わってから喋ってるから安心してください。



…あのね、僕のお母様凄く厳しくてね。



食べてる時のマナーとかにとても口うるさい人だったの。



口の中にものが入ってる時に喋ったらがちおこ(震え声)



なんて懐かしいことを考えながら、僕は騒がしいみんなの方を見た。



…こんなに騒がしいご飯、いつぶりかな。





少し懐かしいなぁ、なんて考えてしまう。



僕には、仲の良い友人…というのはほとんど居なかったものの、“家族”は結構居たりした。



とは言えみんな一人として血の繋がりはなく…名前だけの“家族”で。



それでも僕達はとても仲が良かった。



特別可愛いわけでも、何か取り柄があるわけでもない僕を溺愛するかのように大切にしてくれていた。



妹であり親友の黒瀬桜。



兄と呼んでいた、桜の兄である黒瀬葉介(くろせようすけ)。



他校の同級生であり、兄と呼んでいた赤崎龍都(あかさきりゅうと)。



龍兄と同じクラスで、弟と呼んでいた青本尊(あおもとたける)。



他校の同級生の男の子で、双子のように息が合うから双子と呼んでいた紫乃雅(しのみやび)。



僕達6人は、ずっとずっと一緒に居た。



出会ったのはそんなに昔じゃないのに、まるで本当の家族のように感じれて…。



多分、家庭環境が複雑な人達の集まりだったから、家族のあたたかさとかを知りたかったんだと思う。



だからこそ僕達は…言い方を悪くすれば、傷の舐め合いのように…お互いを必要とし合った。



多分、みんな気が付いていたんだと思う。



それがただの一時のものにしかならなくて…本当の家族にはなれないこと。



それでも僕達は寄り添い続けた。



…それが壊されたのは…あの時なんだ。









“…巫山戯んな、”









僕が余計なことを言わなければ、あの楽しい時間が壊れていくこともなかった。



全て全て全て全て全て…僕のせいなんだ。



僕が何もしなければ…余計なことを言わなければ…



みんなはずっと、一緒に居られて、幸せになれていたのに。



















僕なんて、存在しなければ、