「あの時素直に連絡しておけば、って後悔することになっても知らないわよ」

「いや、でも、たまたま連絡し忘れただけかもしれないし……。ほら、アラームかけ忘れて寝坊して、そのままバタバタと仕事に行ったからする暇がなかったとか」

「夏歩じゃないんだから」

「…………」


今度の“でも”は後を続けられたのだが、美織の一言に再び黙り込む。
津田が来る前は頻繁にそんなことがあったので、何も言い返せないのが辛いところ。


「それに、仮にそうだったとしても、昼休みには時間が出来るでしょ。津田なら、それまで待てなくて、隙間を見つけて連絡しそうだし」

「……それは、ほら……結局間に合わなくて遅刻したから、お昼休み返上で仕事をしてる、とか……」

「今朝はどうしたの?ってちょっと連絡すればいいだけなのに、何でそんなに渋るかしらね」


呆れたように言いながら、美織はすっかり手が止まっていた昼食を思い出したように再開する。