呆れたように言う美織に、夏歩はコンビニの袋からおにぎりを二つとペットボトルのお茶を取り出しながら答える。


「別に、気になってないよ」

「思いっきりスマホを気にしながら言われても説得力ない。ほんとに気になってないなら、そんなに何度も何度も確認しないでしょ」


気になっていないと言いつつも、何度もスマートフォンを確認したのは事実なので、夏歩は反論の為にと開いた口をそっと閉じる。


「夏歩の方から連絡してみたらいいじゃない」

「……いいよ、別に」


気になっていないとはもう言えないので、夏歩はそう返すにとどめておにぎりの包装を順番に取っていく。

ご飯を海苔で巻いたところではぐっと齧ったら、パリパリっといい音がした。

綺麗な三角形のおにぎり。そう言えば、津田が握ったおにぎりもこんな風に綺麗な三角形だったなと思いながら、もう一口。


「ほんとはなんで来なかったのか気になってるくせに」