「たっだいまー!」


凛ちゃんがスマホを仕舞いながら戻ってきた。



「早かったね。呼び出しとかじゃないの?」


「んー?呼び出しではないけどー。

 凛にじゃなかったしー。」


なぜか間延びした話し方の凛ちゃん。



何だったんだろう?


そう疑問に思った瞬間。


「兎羽。ここにいたんだね。」


聞き慣れてしまった優しい声が耳に入った。



「れ、レオ先パイ!?」


何でここに…?


ってまさか。さっきの電話ってレオ先パイだったんじゃ…。



「あらあらやだやだ。なにこのイケメン。

 ちょっと、兎羽!どなた?」


「レオ先パイ…。

 生徒会でお世話になってるの。」


「はじめまして。真木玲旺と申します。

 食事中にすみません。」



「まぁまぁ、この方が。

 凛ちゃんから聞いてはいたけど、

 本当にイケメンねぇ…。」


ちょっとママ!


口をぽかんと開けないでよ!




「レオ君、いっつもうちの凛が

 迷惑かけてごめんなさいね。」


「いえ、リンさんの行動力は

 とても有り難いですよ。迷惑だなんて。」


すごい…。


レオ先パイの社交力、やばい。



誰も不快にならないどころか気分を良くさせてる。




こういうところを見ると、やっぱり完璧人間と呼ばれるのも納得できる。