髪をはらりとすくって、耳もとに唇を寄せた。



「……今宵、起きて」


「んん……」


肩をすくませた今宵が、わずかに目を開いた。



「あ、起きた」



至近距離にいるのが俺だと認識するのと同時に今宵は飛びあがるように顔を上げた。