「ちょっと、駆くん……今宵を好きなんじゃないの?」
あたしの気持ちを察したように、まろやんが待ったの声をあげて、ようやく駆くんの手がモチさんから離れた。
「うん。片思いしてるよ」
「じゃあほかの女の子にそんなことしない方がいいんじゃないかなぁーなんてわたしは思うけど」
まごまごと視線をそらしながら勇気を振り絞ってくれたまろやんの忠告。
だけどそんなの、駆くんに届きっこないんだ。
「まろやんはわかってないなぁ」
そう言う駆くんの口元は笑っている。
でも目は全然笑っていない。
「俺、今宵のこと好きで好きで。落としたくて必死なんだよね」
駆くんのストレートな言葉。
心臓が大きく動く。
「ね、今宵?」
火照りはじめた頬を隠すように俯き気味に水っぽいオレンジジュースを飲み込んでやり過ごすあたしの肩に駆くんの体がぶつかった。
「……引きの攻めって知ってる?」
掠れるような声。
なにそれ?と、聞きたかった。でも聞けなかったの。
その目があまりにするどくて。
反対に口元だけはいたずらっぽく歪んでいて、あたしは声も出なくなる。
「俺を怒らせた罰だよね」
あたしの気持ちを察したように、まろやんが待ったの声をあげて、ようやく駆くんの手がモチさんから離れた。
「うん。片思いしてるよ」
「じゃあほかの女の子にそんなことしない方がいいんじゃないかなぁーなんてわたしは思うけど」
まごまごと視線をそらしながら勇気を振り絞ってくれたまろやんの忠告。
だけどそんなの、駆くんに届きっこないんだ。
「まろやんはわかってないなぁ」
そう言う駆くんの口元は笑っている。
でも目は全然笑っていない。
「俺、今宵のこと好きで好きで。落としたくて必死なんだよね」
駆くんのストレートな言葉。
心臓が大きく動く。
「ね、今宵?」
火照りはじめた頬を隠すように俯き気味に水っぽいオレンジジュースを飲み込んでやり過ごすあたしの肩に駆くんの体がぶつかった。
「……引きの攻めって知ってる?」
掠れるような声。
なにそれ?と、聞きたかった。でも聞けなかったの。
その目があまりにするどくて。
反対に口元だけはいたずらっぽく歪んでいて、あたしは声も出なくなる。
「俺を怒らせた罰だよね」