街路樹の葉の隙間から柔らかに降り注ぐ午後の太陽。


「初デートに書店」


気乗りしない声に、あたしは失敗を実感してる。

じゃあ、どこっていえばよかったの?


映画?遊園地?
もう……、デートってわかんないよ。

次第に視線がさがっていくあたしの頭にポンと手が乗った。


「うそ。今宵といくならどこでもいいよ」


あたしの顔を覗き込む彼は、からかうように笑っている。


……すぐこれだ。