あたしから離れてソファの端に座り、後ろ髪を掻きながら俯く彼。


「はぁー」と深いため息が聞こえてきた。


そんな顔されたら、不安になっちゃうよ。


火照った体に冷静さが戻っていく。



「ごめんなさい……」


あたし、何か間違えちゃったのかな。


「ねぇ今宵。今からどっかデート行こうか」


「え?」


「家にいたら、我慢ばっかでキツイ」


「駆くん、我慢なんてしてないじゃん……」


こんなにいっぱい、キスしておいて……!


「はぁ?どんだけ我慢したと思ってんだよ」


全然腑に落ちない言葉だけど、


駆くんを見つめる不安な視線が、駆くんの呆れ色の目とぶつかって言い返せなくなる。


「でも、いつかまじで傷つけちゃいそうで怖くなった」